変動金利から固定金利への借り換えは得か?金利上昇期の判断ポイントと注意点

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「変動金利が上がってきた。今のうちに固定金利に借り換えたほうがいいのでは」。金利が動き始めた今、こうした不安を持つ人が増えています。

住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査)では、住宅ローン利用者の75.0%が変動型を選んでいます。一方で、今後1年間の金利について「現状よりも上昇する」と答えた人は73.7%、将来の金利上昇で返済額がどれくらい増えるかについて「理解しているか少し不安・よく理解していない・全く理解していない」と答えた人は合計52.0%でした。

変動金利のまま続けるか、固定金利に移るか。この記事では、判断のポイントと注意点を整理します。

目次

まず知っておきたい変動金利の返済ルール

5年ルールと125%ルール

多くの金融機関の変動金利(元利均等返済)には、次のようなルールがあります。三菱UFJ銀行の説明では、

  • 5年ルール: 返済額は5年ごとに見直す。金利が変わっても、見直しまでは返済額は変わらず、元金と利息の内訳だけが変わる
  • 125%ルール: 見直し後の返済額は、それまでの返済額の125%を超えない

とされています。元金均等返済にはこのルールはなく、金融機関や商品によっても扱いが違うため、自分の契約書や返済予定表で確認してください。

「返済額が変わらない=安心」ではない

このルールは返済額の急な増加を抑えるものですが、金利の上昇そのものを抑えるわけではありません。金利が上がると、返済額のうち利息の割合が増え、元金が減りにくくなります。さらに金利が急に上がって利息が返済額を超えると、超えた分は「未払利息」として翌月以降に繰り延べられます。

「毎月の引き落とし額が変わっていないから大丈夫」と思っていても、実は元金がなかなか減っていない、ということが起こりえます。

金利が上がると返済額はどう変わるか

仮に3,000万円を30年・元利均等返済で借りた場合、金利ごとの毎月返済額は次のとおりです(全期間その金利が続いたと仮定した単純計算で、5年ルール・125%ルールは考慮していません)。

金利 毎月の返済額
1.0% 約9.6万円
1.5% 約10.4万円
2.0% 約11.1万円
2.5% 約11.9万円
3.0% 約12.6万円

金利が1%上がるごとに、毎月の負担がおよそ1.4〜1.6万円ずつ増える計算です。自分のローンでも「金利が1%、2%上がったらいくらになるか」を一度計算しておくと、判断の材料になります。

固定金利へ移るかを判断する4つのポイント

1. 今の金利と固定金利の差

一般に、固定金利は変動金利より高めに設定されています。固定に移ると、その時点から毎月の返済額が上がることがあります。「将来の上昇に備える保険料」として、その差を払えるかを考えます。

2. 残高と残りの返済期間

残高が多く、残りの期間が長いほど、将来の金利上昇の影響を大きく受けます。逆に、残りの期間が短い・残高が少ない場合は、変動のまま繰上返済で残高を減らすほうが合うこともあります。

3. 家計の余裕

金利が上がっても返済を続けられる余裕(貯蓄や収入の伸び)があれば、変動のまま様子を見る選択もあります。教育費のピークが近いなど、返済額が増えると困る時期がはっきりしている人は、固定で返済額を確定させる意味が大きくなります。

4. 諸費用を含めた総額

別の金融機関の固定金利に借り換える場合は、事務手数料・保証料・登記費用などの諸費用がかかります。諸費用の内訳と試算のしかたは別の記事で解説していますが、諸費用を足しても納得できるかを必ず確認しましょう。

借り換え以外の選択肢もある

今の金融機関で固定金利に切り替える

金融機関によっては、借り換えずに今のローンのまま固定金利タイプに変更できます。たとえば三井住友銀行は、金利上昇時の見直し方法として固定金利特約への変更を案内しています。登記のやり直しが要らない分、借り換えより手続きが軽く済む場合があります。

ただし、固定期間が終わると変動金利に戻ること、固定期間中は金利タイプを変えられないこと、金利が下がっても固定期間中はその恩恵を受けられないことなどの条件があります。

フラット35への借り換え

全期間固定金利の【フラット35】は、民間金融機関の住宅ローンからの借り換えにも使えます。返済が終わるまで金利が変わらないので、将来の返済額をはっきりさせたい人の選択肢になります。金利は融資実行時点のものが適用されるため、最新の金利で試算してください。

繰上返済で残高を減らす

手元資金に余裕があるなら、変動のまま繰上返済で残高を減らす方法もあります。残高が減れば、金利が上がったときの影響も小さくなります。ただし、手元資金を使いすぎると、急な出費に対応できなくなる点には注意が必要です。

借り換えるときの注意点

  • 審査がある: 借り換えは新しくローンを借りることなので、年齢・収入・物件の価値などがあらためて審査されます(審査で見られるポイントは別記事で解説しています)
  • 「どの固定か」を確認する: 全期間固定と、一定期間だけ固定する固定期間選択型では、将来のリスクがまったく違います
  • 金利の予想は誰にもできない: 日本銀行は2026年も6月と9月に金融市場調節方針の変更を公表していますが、今後の動きは分かりません。「金利が上がりそうだから」だけでなく、上がっても下がっても家計が回るかで判断しましょう

まとめ

  • 住宅ローン利用者の75.0%が変動型。一方で、金利上昇で返済額がどう増えるか不安な人も多い
  • 変動金利の5年ルール・125%ルールは返済額の急増を抑えるが、金利上昇の負担がなくなるわけではない
  • 固定へ移るかは、金利差・残高と期間・家計の余裕・諸費用で判断する
  • 借り換え以外に、今の金融機関での固定への切り替えや繰上返済という選択肢もある
  • まずは自分の条件で「金利が上がったらいくらになるか」を試算し、必要なら専門家に相談を

参考にした情報
– 住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)概要(住宅金融支援機構)
– 住宅ローンの5年ルール・125%ルールについて知りたい(三菱UFJ銀行 よくあるご質問)
– 金利上昇時の住宅ローン返済プランの見直し方法(三井住友銀行)
– 借換融資の検討(【フラット35】住宅金融支援機構)
– 金融市場調節方針に関する公表文 2026年(日本銀行)

この記事を書いた人

大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。

現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としても不動産業界をメインに、AI業界、カーシェアリング、美容と幅広いドメインにおけるプロジェクトを運用管理中。

 その中で、不動産に関してはお客さんとの情報ギャップが大きいことを実感。本メディアにおいては不動産会社や金融機関が教えてくれない『業界のウラ事情』における情報を積極的に配信し、不動産業界における情報の透明化と、住宅ローンでお困りのユーザーの悩み解決を目指す。

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