住宅ローンの返済が苦しい・払えないときの相談先と選択肢|条件変更・借り換え・任意売却・リースバック

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収入が減った、病気で働けなくなった、金利が上がって返済額が増えた。住宅ローンの返済が苦しくなる理由はさまざまです。

一番避けたいのは、誰にも相談しないまま滞納してしまうことです。全国銀行協会も、返済が遅れそうなときは実際に遅れる前に相談するよう勧めています。早く動くほど、取れる選択肢は多くなります。

この記事では、相談先と主な選択肢、それぞれの注意点を整理します。

目次

滞納するとどうなるか

一般的には、返済の遅れが続くと、契約の定めによって残りのローンを一括で返すよう求められる状態(期限の利益の喪失)になり、保証会社が代わりに返済したうえで、最終的には自宅が競売にかけられることがあります。流れや時期は契約内容や金融機関によって違いますが、この段階まで進むと選べる方法が限られていきます。

なお、全国銀行協会は、返済条件の変更を相談しただけで、契約どおり返済している限り一括返済を求められることはないと説明しています。相談すること自体を怖がる必要はありません。

まず相談したい窓口

相談先 どんなときに ポイント
借入先の金融機関 まず最初に 返済条件の変更を受け付ける窓口。各銀行に返済困難者向けの窓口がある
住宅金融支援機構(フラット35など) 機構のローンを返済中 手続きはご返済中の金融機関(融資の申込先)に相談する
全国銀行協会相談室 家計全体を見直したい 専門のカウンセラーが家計診断や返済のアドバイスを行う
法テラス 債務整理など法的な手続きを考える 収入・資産が一定基準以下なら無料法律相談(同じ問題につき3回まで)
消費者ホットライン「188」 売却・リースバックの勧誘で困った 最寄りの消費生活センターなどを案内

返済が苦しいときの5つの選択肢

1. 返済条件の変更(返済期間の延長・一時的な減額)

借入先の金融機関に相談し、返済期間を延ばしたり、一定期間の返済額を減らしたりする方法です。家を手放さずに済む、最初に検討したい方法です。

住宅金融支援機構の場合、離職や病気で収入が減った人向けの返済期間の延長、一定期間の返済額の減額、ボーナス返済の見直しといった返済方法変更のメニューがあり、手数料はかかりません。ただし、変更後も返済を続けられるかの審査があり、希望どおりにならない場合もあります。

注意したいのは、返済期間の延長や一時的な減額は、総返済額が増えることです。条件変更に伴って金利や保証料の負担が変わることもあるため、変更後の返済予定額を必ず確認しましょう。

2. 借り換え

金利の低いローンや、返済期間の長いローンに借り換えて、毎月の負担を下げる方法です。ただし借り換えには審査があり、すでに返済が遅れていると通りにくくなります。返済に遅れが出る前に検討したい方法です。諸費用の内訳や、得をするかの試算のしかたは別の記事で解説しています。

3. 任意売却

返済を続けるのが難しい場合に、金融機関の同意を得て、競売ではなく通常の不動産取引として自宅を売る方法です。住宅金融支援機構は、任意売却の特徴として次の点を挙げています。

  • 通常の取引として売るため、競売より高く売れる可能性があり、負債の縮小につながる
  • 競売に比べて、引渡しの時期を調整しやすい

ただし、金融機関が確認していない価格で売り出しても、抵当権の抹消に応じてもらえない場合があります。売却しても残った借入れの返し方は、債権者と相談することになります。

4. リースバック

自宅を事業者に売って現金を受け取り、売った後は家賃を払ってそのまま住み続ける方法です。引っ越さずに済む一方で、国土交通省のガイドブックや国民生活センターは、次のような点に注意するよう呼びかけています。

  • 家賃を払い続けられるか: 受け取った売却代金と、数年分の家賃の合計を比べて計算する
  • 住み続けられる期間: 「定期借家契約」では、貸主が再契約に応じなければ退去が必要になる
  • 売却価格: 相場から大きく外れていないか、複数の事業者に意見を聞く
  • 買戻し: 買い戻しは当然の権利ではない。「いつまでに」「いくらで」を契約書で確認する
  • クーリング・オフ: 宅地建物取引業者に自宅を売る場合、クーリング・オフは適用されない

また、住宅ローンの残高が売却価格を上回る場合は、そもそも売却できないことがあります。契約を急かされても、家族に相談してから決めましょう。

5. 個人再生(住宅資金特別条項)

住宅ローン以外にも借入れがあり、返済の見直しだけでは立て直せない場合は、裁判所を通じた個人再生という方法があります。「住宅資金特別条項」を使えば、家を手放さずに、ほかの借入れを整理できる場合があります。ただし住宅ローンの残高自体は減りません。利用には条件があるため、弁護士などの専門家に相談して検討します。

選択肢を比べると

選択肢 住み続けられるか 主な注意点
返済条件の変更 住み続けられる 総返済額が増える。審査がある
借り換え 住み続けられる 審査がある。延滞があると難しい
任意売却 原則として退去 金融機関の同意が必要。残った借入れは返済が続く
リースバック 家賃を払って住める 家賃負担、契約期間、売却価格をよく確認
個人再生 住み続けられる場合がある 住宅ローンは減らない。専門家への相談が前提

相談の前に準備しておくもの

相談をスムーズに進めるために、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。

  • 返済予定表と契約書: 残高、金利、残りの返済期間、金利タイプが分かるもの
  • 収入が分かる書類: 源泉徴収票や給与明細。収入が減った理由と、今後の見通しも整理しておく
  • ほかの借入れの一覧: 車のローン、カードローン、分割払いなど、毎月いくら返しているか
  • 家計の収支: 毎月の生活費と、削れる支出がどれくらいあるか
  • 自宅のおおよその価値: 売却を考える場合は、ローン残高を上回るかどうかが大きな分かれ目になる

「どこまでなら毎月払えるか」を自分で把握しておくと、金融機関も条件を提案しやすくなります。

まとめ

  • 返済が苦しくなったら、滞納する前に借入先の金融機関に相談する
  • 返済条件の変更は家を手放さずに済むが、総返済額は増える
  • 借り換えは、返済に遅れが出る前に検討する
  • 任意売却やリースバックは、競売より選択の余地がある一方、条件をよく確認する必要がある
  • 一人で決めず、自分の状況に合わせて金融機関や専門家に相談を

参考にした情報
– 返済方法の変更(住宅金融支援機構)
– 月々の返済でお困りになったとき(住宅金融支援機構)
– 融資住宅等の任意売却(住宅金融支援機構)
– カウンセリングサービス よくあるご質問(全国銀行協会)
– 無料法律相談に関するよくあるご質問(法テラス)
– 「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しました(国土交通省)
– 強引に勧められるリースバック契約にご注意(国民生活センター)

この記事を書いた人

大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。

現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としても不動産業界をメインに、AI業界、カーシェアリング、美容と幅広いドメインにおけるプロジェクトを運用管理中。

 その中で、不動産に関してはお客さんとの情報ギャップが大きいことを実感。本メディアにおいては不動産会社や金融機関が教えてくれない『業界のウラ事情』における情報を積極的に配信し、不動産業界における情報の透明化と、住宅ローンでお困りのユーザーの悩み解決を目指す。

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