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「そろそろ家を売ろうか」と考えたとき、まず何から始めればいいのか迷う人は多いと思います。一般的な家の売却は、不動産会社に買主を探してもらう仲介で進めるのが基本です。
この記事では、特別な事情のない「普通の家」を仲介で売る場合に絞って、査定から引き渡しまでの流れ、査定額の見方、媒介契約の種類の違い、仲介手数料の上限を整理します。法令や告示の内容は2026年11月1日時点で確認したものです。
家を仲介で売るときの流れ
売却の一般的な流れは次のとおりです。
- 相場を調べる
- 不動産会社に査定を依頼する(複数社がおすすめ)
- 不動産会社を選び、媒介契約を結ぶ
- 売り出し価格を決めて、販売活動を始める
- 内見の対応、購入希望者との条件交渉
- 売買契約を結ぶ(手付金の受け取り)
- 決済・引き渡し(残代金の受け取り、ローンの完済と抵当権の抹消)
- 翌年、必要に応じて確定申告をする
この中で、売却の結果を大きく左右するのが2〜4の「査定」「会社選び」「媒介契約」です。
査定の流れと、査定額の見方
査定は「机上」と「訪問」の2段階で考える
不動産会社の査定には、大きく分けて2つの方法があります。
- 机上査定(簡易査定): 所在地・広さ・築年数などの情報と、周辺の取引事例から概算する方法。早く結果がわかる
- 訪問査定: 担当者が実際に家を見て、建物の状態や日当たり、周辺環境なども含めて査定する方法。より実態に近い金額になりやすい
まずは机上査定で複数社の目安をつかみ、候補を絞ってから訪問査定を受ける、という進め方が効率的です。
査定を受ける前に、自分でもおおよその相場を調べておくと、査定額の高い・低いを判断しやすくなります。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、地域ごとの不動産の取引価格の情報を調べられます。
査定額は「売れる値段」ではない
査定額は、あくまで不動産会社が「このくらいで売れそうだ」と考える見込みの金額です。実際の売り出し価格は売主が決め、成約価格は買主との交渉で決まります。
宅地建物取引業法では、不動産会社が売却価格について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定められています(第34条の2第2項)。査定額を見るときは、金額そのものよりも、
- どの取引事例と比べたのか
- 建物の状態や立地をどう評価したのか
- どのくらいの期間で売れる想定なのか
といった根拠の説明が納得できるかを重視しましょう。
高すぎる査定額には注意
複数社に査定を頼むと、1社だけ飛び抜けて高い金額を出すことがあります。根拠がはっきりしないまま高い金額で売り出すと、買い手がつかずに値下げを重ね、結果的に売却が長引くこともあります。「一番高い会社」ではなく「根拠が一番しっかりしている会社」を選ぶのが基本です。
媒介契約は3種類。違いを表で比較
不動産会社に売却を依頼するときは、媒介契約を結びます。種類は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つです。宅地建物取引業法と同法施行規則で定められている主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数の会社への依頼 | できる | できない | できない |
| 自分で見つけた買主との契約 | できる | できる | できない |
| 契約の有効期間 | 法律上の上限の定めなし | 3か月以内(更新は依頼者の申出による) | 3か月以内(同左) |
| 指定流通機構(レインズ)への登録 | 義務なし | 契約日から7日以内(休業日を除く) | 契約日から5日以内(休業日を除く) |
| 販売状況の報告 | 申込みがあったときの報告のみ義務 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
※専任媒介・専属専任媒介で3か月より長い期間を決めても、期間は3か月になります。購入の申込みがあったときに遅滞なく報告する義務は、どの媒介契約にもあります。
どの媒介契約を選ぶか
- 一般媒介: 複数の会社に同時に頼めるので、会社どうしが競う形になります。一方で、どの会社にも報告義務が軽く、売主側で状況を把握する手間が増えます。人気エリアなど、買い手が見つかりやすい物件で検討しやすい契約です
- 専任媒介: 1社に任せる代わりに、レインズへの登録と2週間に1回以上の報告が義務になります。親族や知人など、自分で買主を見つける可能性がある場合にも対応できます
- 専属専任媒介: 報告が1週間に1回以上と最も手厚い一方、自分で見つけた買主とも、その会社を通さずに契約することはできません
専任媒介・専属専任媒介は有効期間が3か月以内なので、3か月ごとに担当会社の活動を振り返り、更新するかを判断できます。販売活動に不満があれば、更新しないという選択もできます。
仲介手数料の上限
売買の仲介手数料は「上限」が決まっている
不動産会社が受け取れる仲介手数料(媒介報酬)の上限は、国土交通大臣の告示で決まっています。売買の媒介で、依頼者の一方(売主または買主)から受け取れる上限(消費税込み)は、売買代金(消費税を含まない額)を次の3つに区切って計算した金額の合計です。
| 売買代金のうち | 上限の割合(税込) |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5.5% |
| 200万円を超え400万円以下の部分 | 4.4% |
| 400万円を超える部分 | 3.3% |
国土交通省の案内では、売買代金1,000万円の場合、上限は39.6万円(税込)と計算例が示されています。
売買代金が400万円を超える場合、上の計算をまとめると「売買代金×3.3%+6.6万円」と同じ金額になります。たとえば売買代金が3,000万円なら、3,000万円×3.3%+6.6万円=105.6万円(税込)が上限です。
800万円以下の家には特例がある
2024年7月1日から、売買代金が800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)については、媒介に必要な費用を考慮して、上の計算額を超える報酬を受け取れる特例が設けられています。その場合も、依頼者から受け取る額は30万円の1.1倍(33万円)が上限です。比較的安い価格の家を売るときは、媒介契約の前に報酬額の説明を受け、納得してから契約しましょう。
「上限」であって「定価」ではない
告示で決まっているのは上限額です。この範囲内で、実際の手数料額は不動産会社との契約で決まります。媒介契約書には報酬に関する事項を記載することが法律で義務付けられているので、契約前に金額と支払い時期を確認しましょう。
仲介会社を選ぶときのチェックポイント
査定を受けた会社の中から依頼先を選ぶときは、次の点を比べてみましょう。
- 査定額の根拠を具体的に説明してくれるか
- 販売活動の内容(広告の出し方、レインズへの登録、内見の対応など)が明確か
- 報告の頻度と方法が、自分の希望に合っているか
- 仲介手数料の額と支払い時期を、契約前にはっきり示してくれるか
- 担当者との相性(質問に正直に答えてくれるか、連絡がとりやすいか)
仲介手数料の考え方や販売方針は会社によって異なります。たとえば首都圏の居住用不動産を扱う「ミライアスのスマート仲介」は、仲介手数料は取引の形にかかわらず1つの取引につき合計「片手分」だけとし、物件の囲い込みをせず広告に制限を設けないと案内しています。売却できなかった場合に手数料がかからないことや、VRによる内見、一級建築士による建物設備検査報告書なども紹介されています(一般の居住用不動産の対応エリアは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県。売却保証などのサービスには一定の条件があります)。
▶ 手数料と販売方針が明確な仲介会社を探すなら: ミライアス ![]()
まとめ
- 家を仲介で売るときは「相場の確認→査定→会社選び・媒介契約→販売→契約→引き渡し」の順で進む
- 査定額は売れる値段の見込み。不動産会社には根拠を示す義務があるので、金額より根拠の説明で比べる
- 媒介契約は一般・専任・専属専任の3種類。専任系は有効期間3か月以内で、レインズ登録(7日・5日以内)と定期報告(2週間・1週間に1回以上)が義務
- 仲介手数料の上限は、400万円超の部分で3.3%(税込)。400万円を超える物件なら「売買代金×3.3%+6.6万円」が上限
- 800万円以下の家は特例で上限が33万円(税込)になることがある。いずれも「上限」なので、契約前に金額を確認する
参考にした情報(2026年11月1日確認)
– 宅地建物取引業法(第34条の2 媒介契約)|e-Gov法令検索
– 宅地建物取引業法施行規則(第15条の10 指定流通機構への登録期間)|e-Gov法令検索
– 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(令和6年6月21日改正)|大阪府
– <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ|国土交通省
– 不動産業による空き家対策推進プログラムの策定(報道発表)|国土交通省
– 不動産情報ライブラリ|国土交通省
– スマート仲介 ご売却|ミライアス
