不動産担保ローンとは?仕組み・住宅ローンとの違い・借りる前に知っておきたい注意点

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「事業の資金が足りない」「まとまったお金が急に必要になった」。こうしたときに選択肢として名前が挙がるのが不動産担保ローンです。

不動産担保ローンは、持っている土地や建物を担保にしてお金を借りる仕組みです。担保がある分、無担保のローンと比べて条件が変わることがありますが、返せなくなれば担保の不動産を失うおそれがある、重い借入れでもあります。

この記事では、不動産担保ローンの仕組み、住宅ローンとの違い、貸金業法の「総量規制」との関係、借りる前の注意点を説明します。法令や制度は2026年11月1日時点で確認できた一次情報にもとづいています。

目次

不動産担保ローンの仕組み

不動産担保ローンは、借りる人(または担保を提供する人)の不動産に抵当権や根抵当権を設定し、それを担保にお金を借りるローンです。返済が滞ったときは、貸した側が担保権を実行し、不動産が売却されて返済にあてられる可能性があります。

貸し手は、銀行などの金融機関の場合と、貸金業の登録を受けた会社(いわゆるノンバンク)の場合があります。どちらから借りるかで、適用される法律やルールが変わる点に注意が必要です。

住宅ローンとの違い

同じように不動産に抵当権を設定するローンでも、住宅ローンとは目的や性格が違います。

項目 住宅ローン 不動産担保ローン
主な資金の使い道 住宅の購入・建築など 商品により異なる(使い道自由の商品、事業資金向けの商品など)
担保 購入・建築する住宅 すでに持っている土地・建物
主な貸し手 銀行、【フラット35】の取扱金融機関など 銀行、貸金業者など
総量規制(貸金業者から借りる場合) 対象外(不動産の購入などの資金) 担保が自宅かどうかなどで扱いが変わる(次の章で説明)
金利・費用 金融機関により異なる 貸し手・商品により異なる

住宅ローンは「家を手に入れるための借入れ」で、税制の優遇(住宅ローン控除など)も住宅取得を前提に作られています。一方、不動産担保ローンは手持ちの不動産の価値を使ってお金を借りるものなので、同じ感覚で考えないことが大切です。

貸金業法・総量規制との関係

総量規制とは

金融庁によると、総量規制は「貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借入れをすることができなくなる」というルールです。対象は貸金業者から個人が借りる場合で、銀行からの借入れは貸金業法の対象外のため、総量規制もかかりません。

不動産担保ローンは対象になるのか

貸金業法施行規則では、総量規制の計算から除外される契約が定められています。不動産に関係するものは次のとおりです。

  • 不動産の建設・購入・改良に必要な資金の貸付け(いわゆる住宅ローンなど)
  • 居宅(自宅)とその敷地などを除いた不動産を担保とする貸付けで、返済能力を超えず、借入額が不動産の価格の範囲内のもの
  • 売却を予定している不動産の売却代金で返す貸付けで、返済能力を超えないもの(不動産の価格の範囲内に限り、売却で生活に支障が出る場合は除く)

つまり、自宅を担保にする不動産担保ローンは、この「除外」には当たりません。貸金業者から借りる場合は、原則として年収の3分の1という総量規制の枠の中で考えることになります。

また、総量規制には「例外」として、個人事業者が事業の実態や事業計画・収支計画・資金計画を確認されたうえで、返済能力を超えないと認められる貸付けなども定められています。なお、法人向けの貸付けは総量規制の対象外です。

「除外」は「たくさん借りてよい」という意味ではない

注意したいのは、総量規制の対象外になっても、返済能力を超える借入れが認められるわけではないことです。法令上も、除外の条件に「返済能力を超えないと認められるもの」が含まれています。

さらに、自宅以外の不動産を担保にする貸付けでは、貸金業者は「担保権が実行された場合には、その不動産が売却される可能性があること」についての同意書を保存することが義務づけられています。担保を差し出すことの重みが、法令の上でもはっきり示されているといえます。

審査で見られるポイント

不動産担保ローンの審査では、一般に次のような点が確認されます。具体的な基準は貸し手によって異なります。

  • 担保になる不動産の価値: 所在地、土地・建物の状態、登記の内容など。借入額は担保価値の範囲内になるのが基本
  • すでに設定されている担保権: 住宅ローンなどの抵当権が残っている場合、担保としての余力が小さくなる
  • 返済能力: 収入、ほかの借入れ、事業の場合は事業の実態や計画
  • 資金の使い道: 使い道自由の商品でも、事業資金向けかどうかなどで扱いが変わることがある

借りる前に必ず確認したい注意点

1. 返済できないと不動産を失うおそれがある

最も大きなリスクです。返済が滞ると、担保権が実行され、不動産が売却される可能性があります。自宅を担保にした場合は、住む場所を失うことにもつながります。「いざとなれば売ればいい」と考える前に、その不動産を手放しても生活が成り立つかを考えてください。

2. 借りすぎない

担保があると、無担保よりまとまった額を借りられる場合があります。しかし、借りられる額と返せる額は別です。借入額は「担保でいくら借りられるか」ではなく、「毎月の収入から無理なく返せる額」から決めましょう。ほかの借入れの返済のために借りる場合は、返済総額が本当に減るのかを計算して確かめることが大切です。

3. 金利と諸費用を総額で比べる

利息制限法の上限金利は、貸付額に応じて年15%〜20%です。実際の金利は貸し手や商品によって異なります。不動産担保ローンでは、金利のほかに事務手数料、不動産の鑑定費用、印紙代、抵当権設定の登記費用などがかかることがあります。契約前に、返済期間を通じた総支払額を確認しましょう。

4. 登録業者かどうかを確認する

貸金業者から借りる場合は、金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者を検索できる金融庁のサービスや、日本貸金業協会の協会員検索で、登録を受けた業者かどうかを確認できます。登録のない業者からは借りないでください。

5. 迷ったら相談窓口へ

借金の返済に困っている場合は、借入れを増やす前に、金融庁が案内している財務局や自治体の多重債務相談窓口、日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」などに相談する方法もあります。

不動産担保ローンを扱う会社の例

貸金業者の中には、不動産担保ローンを専門に扱う会社があります。ここでは公式サイトで確認できた範囲で、取り扱っている商品を紹介します。金利や融資額、審査の結果は個別の条件で変わるため、必ず各社に確認してください。

つばさコーポレーション(東京都渋谷区)は、個人向けで資金使途が自由な「不動産活用ローン」、個人事業主・法人向けの「不動産ビジネスローン」、不動産を売り急がずに使える「不動産売却つなぎローン」などを案内しています。

▶ 不動産担保ローンの条件を相談してみるなら: 不動産担保ローン・担保融資のご相談ならつばさコーポレーション

総合マネージメントサービス(東京都中央区)は、不動産担保ローンのほか、売却を前提とした不動産つなぎローン、リースバックなどを案内しています。公式サイトでは、融資は担保価値の範囲内となり、不動産があれば必ず利用できるわけではないこと、事務手数料や鑑定費用、登記費用などの諸費用がかかる場合があることが示されています。

▶ 担保ローンとリースバックなどを比べて相談したいなら: 総合マネージメントサービス

申し込む前に、上で紹介した方法で登録業者であることを確認し、複数の選択肢と総支払額を比べたうえで判断してください。

まとめ

  • 不動産担保ローンは、持っている土地・建物に抵当権などを設定してお金を借りる仕組み
  • 住宅ローンは住宅取得のための借入れ。不動産担保ローンは手持ちの不動産の価値を使う借入れで、性格が違う
  • 貸金業者から借りる場合、自宅以外の不動産を担保にする一定の貸付けは総量規制から除外されるが、自宅を担保にする場合は除外に当たらない
  • 返済できなければ不動産を失うおそれがある。借りられる額ではなく、返せる額から考える
  • 金利と諸費用を総額で比べ、登録業者かどうかを必ず確認する

参考にした情報(2026年11月1日確認)
– 貸金業法のキホン(金融庁)
– 貸金業法Q&A(金融庁)
– 貸金業法施行規則 第10条の21・第10条の23(e-Gov法令検索)
– 金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者の検索(金融庁)
– 貸金業関係(相談窓口・貸付自粛制度など)(金融庁)
– 協会員検索(日本貸金業協会)
– つばさコーポレーション
– 総合マネージメントサービス

この記事を書いた人

大学卒業後、デジタルマーケティング企業に入社し、BtoBマーケティングのコンサルに従事。200社以上のコンサルティング経験に加え、ウェビナー・ワークショップ・Academyサイトの立ち上げに携わり、年間40件のイベント登壇と70件の学習コンテンツ制作を担当。

現在はAIソリューション企業に所属しながら、個人としても不動産業界をメインに、AI業界、カーシェアリング、美容と幅広いドメインにおけるプロジェクトを運用管理中。

 その中で、不動産に関してはお客さんとの情報ギャップが大きいことを実感。本メディアにおいては不動産会社や金融機関が教えてくれない『業界のウラ事情』における情報を積極的に配信し、不動産業界における情報の透明化と、住宅ローンでお困りのユーザーの悩み解決を目指す。

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